色塗りが上手くなりたい人は水彩スケッチをしよう
- 2018.05.31
- 初心者向けの記事

色を塗るのが苦手な人ってたくさんいますよね。今でこそ色を使うのが得意になりましたが、僕も絵を描きはじめた頃は苦手に感じていました。そんな僕が、色についての苦手を克服したのは大学生の時に毎日続けた野外水彩スケッチのおかげです。今回は水彩スケッチのメリットと、必要な道具について紹介します。
なんで色塗りが苦手になってしまうのか
- 色のバランス感覚がない
- 脳内パレットがない
色のバランス感覚がない
初心者が色塗りが苦手な理由は、色のバランス感覚が鍛えられていないという点が大きいです。色は周囲の色の影響で感覚的に違う色に見えてしまう特徴があります。それを理屈ではなく感覚で把握することを僕は「色のバランス感覚」と呼んでいます。この感覚は色を使った絵をたくさん描くことでしか体得できません。
脳内パレットがない
物にはそれぞれ「固有色」という特有の色があります。例えばトマトであれば赤、きゅうりであれば緑ですね。ですが実際はそれほど単純ではなく、トマトの赤も表面で複雑に変化して、純粋な「赤」ではないのです。こういった物の色は、普段からよく観察して頭に保存しておく必要があるのですが、絵を描いてないと物の色は頭に保存されにくいです。ものの色が分からず、再現できない状態を「脳内パレットがない」と僕は呼んでいます。脳内パレットは実物を観察しながら描くことで脳みその中で作り出すことができます。資料写真でもいいのですが、レンズというフィルターを通していない、生の色を観察することが生き生きとした色使いをするポイントだと僕は思っています。
野外水彩スケッチで鍛えられるポイント
- 色の観察眼
- 色のバランス感覚
- スピード
色の観察眼
水彩スケッチは通常の鉛筆スケッチとは違って、野外で色を使いながら実物を観察することができます。これが僕が水彩スケッチを勧める一番の理由です。実物の色を見ながら、絵の具を混色してその場で再現するというのは結構難しいのですが、ものがどんな色をしているのか見抜く観察眼が鍛えられます。繰り返し行うことで頭の中に脳内パレットができて、ものをみればどういう色を使えば絵として再現できるか感覚でわかるようになります。
色の感覚
野外の水彩スケッチは長くても数時間で描くために、自宅で色を使った一枚絵を描くより枚数を重ねることができます。色の感覚は絵を描きながら体得する必要があるので、数をこなさないとどうしようもありません。野外水彩スケッチは手軽に実物を見ながらたくさん描くことができるので色の感覚を鍛えるにはもってこいの練習です。
スピード
水彩は水が乾くまでに色を混色する必要があるのですが、野外で太陽光が当たってる状態だと紙がどんどん乾きます。悠長にどんな色にしようか、など悩む暇がないので必然的に絵を描くスピードが鍛えられます。地味ですが絵を描くスピードは最高のサブスキルなのでこのためだけでも水彩スケッチをする価値はありますよ。
水彩スケッチのための道具
- 椅子
- スケッチブック
- 削用筆
- 平筆
- 筆洗
- パレット
- 絵の具
- 参考書
- ペットボトル
ここからは僕が使っていたスケッチ道具でおすすめのものを紹介します!
椅子
外で絵を描くときに折り畳めて持ち運べる椅子があると汚れを気にしなくてよいのでとても便利です。
スケッチブック
マルマンのスケッチブックを愛用してました。紙が丈夫で水に濡れても破れにくく、ザラッとした質感もいい感じになります。中目がおすすめ!
削用筆
これはジブリなどのアニメ背景を描く人たちが使っている筆で、植物などの描き込みから建物まで、あらゆるものに使える万能筆です。2000〜3000円のものがおすすめ
↓様々な部分に削用筆を使っています。
平筆
細かな描き込みの前に全体に軽く色を置いたり、広い範囲を塗るために使います。数本持っていくと色を使い分けられるのでおすすめ
筆洗
コンパクトに重ねて収納できるタイプがおすすめです。
パレット
アルミのほうが洗いやすいですが、プラスチックのものでも十分です。
絵の具
ポスターカラーが安くてとても使い勝手がよいです。小学校の時に使った絵の具なのですが、ジブリなどのアニメ背景を描くのに使われています。
↓僕のスケッチはすべてポスターカラーで描いています。
参考書
アニメ監督の増山修さんが書いた技法書と男鹿和雄さんの画集メイキングがおすすめです。増山さんの本はポスターカラーを使った水彩スケッチのやり方を詳しく解説しています。
ペットボトル
水彩は水を使うので忘れないようにしてくださいね!
継続こそ力なり
道具を買ったら、できるだけスケッチをやるようにしましょう。色の感覚を身につけるには、とにかく描くしかありません。水彩スケッチは趣味としてもおすすめなのでぜひはじめてみてくださいね。
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